こんにちは!アパレル社員です。
今回は「天然繊維」について紹介します。
紹介に入る前に「繊維って何?」という人はこちらの記事を読んでいただくことをお勧めします。
今回紹介する「天然繊維」は、自然に存在する植物や動物由来の繊維です。
家畜として育てたり、栽培することに人間の手がかかっていますが、採取される繊維は全て天然素材です。
本記事ではこの天然繊維の基礎知識を紹介していきます。
紹介に入る前に本記事はこのような人におすすめです。
・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。
・アパレル業界への転職を考えている社会人さん。
・入社したてのアパレル業界の新人さん。
・繊維の知識を身に付け、服選びに活かしたい人。
それではご覧ください。
目次
天然繊維
植物の花や動物の毛等、自然のままで繊維形状をしているものを利用した繊維を総称して天然繊維といいます。
天然繊維は植物繊維、動物繊維、鉱物繊維に分類されます。
さらに植物繊維は種子毛繊維、靭皮繊維、葉脈繊維の3種類に、動物繊維は毛繊維、絹繊維、羽毛繊維の3種類に分類されます。
植物繊維
種子毛繊維の「綿」
種子毛繊維には綿があります。
綿とは木綿植物の種から採れる白くて柔らかな種子毛(白くてフワフワしたわた)を繊維状にしたものです。
綿は天然繊維の中で消費量が一番多く衣料や寝装など多くの分野に用いられています。
肌触りが良く、耐久性に優れていてTシャツからコートまで季節を問わず様々なアイテムに使用されます。
靭皮繊維、葉脈繊維の「麻」
靭皮繊維と葉脈繊維には麻があります。
麻とは植物の茎の靭皮部分や葉から採取される繊維です。
麻は人類最古の繊維とも呼ばれるほど歴史が深いです。
茎の靭皮部分から作られるものには亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、黄麻(ジュート)、大麻(ヘンプ)があります。
葉、葉脈部分から作られるものにはサイザル麻、マニラ麻があります。
中でも衣類に多く使用されるのは亜麻と苧麻です。
通気性に優れ、シャリ感があるので夏物衣料に使用されることが多いです。
動物繊維
毛繊維の「ウール」と「その他の毛繊維」
毛繊維にはウールとその他の獣毛があります。
ウールとは羊毛とも呼ばれ羊の毛を原料とする繊維です。
毛繊維の中で最も多く衣類に使用されています。
天然繊維の中で保温性に一番優れているので秋冬物のセーター、カーディガンなどに使用されることが多いです。
その他の獣毛には以下のようなものがあります。
・アンゴラ山羊の毛を原料とするモヘヤ
・カシミヤ山羊の毛を原料とするカシミヤ
・ラクダの毛を原料とするキャメル
・アンゴラウサギの毛を原料とするアンゴラ
・アルパカの毛を原料とするアルパカ ※これらは生産量が少なく希少性が高いので、比較的高価です。
絹繊維の「シルク」
絹繊維にはシルクがあります。
シルクとは蚕という昆虫の繭からとれる繊維です。
上品な光沢と柔らかな肌触りの高級繊維です。
光沢感と柔らかく滑らかな肌触りが特徴で高級スカーフやストール、ドレスなどに使用されることが多いです。
羽毛繊維の「ダウン」と「フェザー」
羽毛繊維にはダウンとフェザーがあります。
ダウンとは水鳥の胸に生えている羽毛で羽軸が無くフワフワしたわたのようなものです。
保温性に優れるのでダウンジャケットや布団の中綿など、秋冬衣料や寝具の詰め物に使用されます。
フェザーとは水鳥、陸鳥の羽毛で、羽軸がありダウンと違い羽根の形をしています。
ダウンジャケットの中綿にダウンと混ぜて使用されることが多いです。
アパレル社員的まとめ
天然繊維について紹介しましたが、特に覚えておくべきポイントをまとめておきます。
・天然繊維は自然に存在する植物、動物から採取される繊維である。・天然繊維には植物繊維と動物繊維がある。
・植物繊維には種子毛繊維の「綿」、靭皮繊維・葉脈繊維の「麻」がある。
・動物繊維には毛繊維の「ウール」、絹繊維の「シルク」、羽毛繊維の「ダウン・フェザー」がある。
・毛繊維には羊毛の他に希少性の高い「カシミヤ」や「キャメル」などがある。
今回紹介した「天然繊維の基礎」が分っていると各繊維の特徴を詳しく覚える際に理解が深まりますよ!