こんにちは!アパレル社員です。
今回は「糸、単糸と双糸」について紹介します。
私はアパレルメーカーに就職するまで糸の知識があまりなく、単糸と双糸は学生時代になんとなく聞いたことがあるなという程度でしたが、実際メーカーに就職するとなんとなくでは仕事になりませんでした。
「ヨンマルソウ「ニマルジュウロク!」「バンテ!」「デニール!」
...?(やばい意味わからん。)
毎度のことながら学生時代に習ったはずなんですけどね。(笑)
その日から私はもう一度勉強をし直しました。
今回紹介する単糸と双糸ですが、将来デザイナーや商品企画をしたいと思っている人は必ず知っていないと、まずアイテムのベースになる生地選びすらできません。
もちろん生地を触った時に「お!いい生地だな」とか、「これは安い生地だな」と何となくは分かるかもしれませんが、やはり単糸と双糸くらいは知っていないとデザインや用途に合った生地選びができません。
では紹介に入る前に本記事はこのような人におすすめです。
・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。(特に企画やデザイナー志望の人)
・アパレル業界への転職を考えている社会人さん。
・入社したてのアパレル業界の新人さん。
・現在アパレル業界について勉強中の人。
糸とは
単糸と双糸の紹介に入る前に糸について説明します。
糸とは天然繊維や化学繊維を伸ばして撚りをかけたものです。
つまり細くて長い繊維をいくつかまとめて捩じることで1本の束になったものが糸です。
繊維の原料による糸の種類
天然繊維・・・綿糸、毛糸、麻糸、絹糸など
化学繊維・・・レーヨン糸、キュプラ糸、ナイロン糸、ポリエステル糸、アクリル糸など
その他・・・複数種類の繊維をまぜる混紡糸があります。
混紡糸はお互いの繊維のデメリットを補いメリットを足すことができます。
例えば綿とポリエステルを混ぜた糸で織った生地は、、、
綿のメリットである
①肌触りの良さ ②吸汗性の高さ ③通気性の高さを残しつつ
綿のデメリットである
①シワになりやすい → ポリエステルのイージーケア性で補う
②乾きが遅い → ポリエステルの速乾性の高さで補うという事ができます。
単糸とは
単糸とは1本の糸のことです。
上述したように繊維を幾つか撚って1本の糸にしたものが単糸です。
この単糸を作るとき、一般的には左に撚ります。
この左に撚ることをZ撚りといいます。
単糸は双糸に比べ安価で生地にした際にざっくりとした生地感になります。
双糸とは
双糸とは2本の糸を撚り合わせた糸です。
糸を撚り合わせるので糸の強度が増し、太さも太くなります。
また1本の糸(単糸)は太さにムラができやすいですが、双糸は1本の糸(単糸)より均一な太さになります。
双糸は単糸に比べ高価で生地にした際に滑らかな触り心地になります。
双糸の場合は単糸と逆方向に撚りをかけるので右撚りとなりこれをS撚りといいます。
糸の太さ
番手
綿糸、毛糸、麻糸などの短繊維の場合は番手という単位で表します。
番手は糸の一定の重さに対する長さから数字が決められていて、これを恒長式といいます。
恒長式の場合数字が大きほど細い糸になります。
ただし、綿、毛、麻で基準とする重さ、長さが違うため綿の1番手と麻の1番手では糸の太さが異なります。
デニール
絹糸や化学繊維のフィラメント糸などの長繊維の場合はデニールという単位で表します。
デニールは一定の長さに対する重さから数字が決められていて、これを恒重式といい、長さ9,000mで重さ1gの糸を1デニールといいます。
9000mを一定にして2gが2デニール、3gが3デニールとなり数字が大きいほど太い糸になります。
織生地にした時の表記方法
単糸
単糸の場合、織生地にした時に20×16といった表記方法になります。
20が「経糸は20番手の単糸」、16が「緯糸は16番手の単糸」を使用して織った生地という意味になります。
双糸
双糸の場合、織生地にした時に40/2×40/2といった表記方法になります。
最初の40/2が「経糸は40番手の双糸」、後の40/2が「緯糸は40番手の双糸」を使用して織った生地という意味になります。
ちなみにこの40番双糸は40番の太さの糸を2本撚り合わせているので20番単糸と同等の太さになります。
ですので20×20と40/2×40/2の生地の厚みは同等になります。
ただし上述したように双糸と単糸では生地にした際の厚みが同等でも手触りなどは全く別物になります。
生地の厚さと生地の触り心地は全く別物です。
アパレル社員的まとめ
糸、単糸と双糸について紹介しましたが、これだけは覚えておくべきというポイントをまとめておきます。
・糸には天然繊維、化学繊維の他に天然繊維と化学繊維を混ぜた混紡糸というものがある。
・単糸とは1本の糸のことで、繊維を幾つか撚り合わせてできた糸で、Z撚り(左に撚る)である。
・双糸とは単糸を2本撚り合わせてできた糸で、S撚り(右に撚る)である。
・双糸は単糸に比べ太く強度があり、生地にすると滑らかな触り心地で価格は高くなる。
・糸の太さを表す単として短繊維は番手、長繊維はデニールがある。
・番手は数字が大きくなると細くなり、デニールは数字が大きくなると太くなる。
最後に、冒頭で女性のパイセンが言っているカタカナ言葉の解説を入れておきますね。
・ヨンマルソウ → 40/2 → 40番手双糸のこと
・ニマルジュウロク → 20×16 →20番手×16番手の生地のこと
・バンテ、デニール → 番手とデニールのこと