こんにちは!アパレル社員です。
今回は「麻繊維」について紹介します。
実は私はアパレル専門学校に入るまでは繊維を気にして服を買ったこともなければ繊維の特徴なんて知るわけもなく、もちろん今回紹介する麻の特徴なんか全く知りませんでした。。。
今思えばめちゃくちゃ無知ですよね。(笑)
これを読んでいる優秀な皆様なら当時の無知な私とは違い、「春夏の衣服によく使われているな」とか、「シャリ感のある素材だよな」と、何となく想像できている方が多いのでないでしょうか?
本記事ではこの麻の特徴、メリット、デメリットを紹介していきます。
紹介に入る前に本記事はこのような人におすすめです。
・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。
・アパレル業界への転職を考えている社会人さん。
・入社したてのアパレル業界の新人さん。
・繊維の知識を身に付け、商品選びに活かしたい人。
それではご覧ください。
目次
麻とは
麻とは植物の茎の靭皮(じんぴ)部分や葉、葉脈から採取される繊維です。
麻は天然繊維の中の「靭皮繊維」と「葉脈繊維」に分類されます。
8000年も前から栽培されている人類最古の繊維と呼ばれています。
茎の靭皮部分から作られる「靭皮繊維」には
亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、黄麻(ジュート)、大麻(ヘンプ)があります。
葉、葉脈部分から作られる「葉脈繊維」には
サイザル麻、マニラ麻があります。
麻の種類
亜麻(リネン)
亜麻(リネン)はアマ科の植物の靭皮部分から採れる繊維です。
比較的柔らかく衣料品に多く使われます。
清涼感がある素材なので夏物衣料に適しています。
有名なものにフランスのフレンチリネン、アイルランドのアイリッシュリネンなどがあり、高級麻として知られています。
亜麻は後述する苧麻に比べ、毛羽立ちが少ない、チクチクしにくい、柔らかく滑らかという特徴があります。
苧麻(ラミー)
苧麻(ラミー)はイラクサ科の植物の靭皮部分から採れる繊維です。
亜麻と同じく比較的柔らかく衣料品、特に夏物衣料に多く使われます。
苧麻は亜麻に比べハリ、コシがあり、シャリ感が強いため、カジュアル衣料に向いています。
黄麻(ジュート)
黄麻(ジュート)はシナノキ科の植物の葉、葉脈部分から採れる繊維です。
強度はありますが一般衣類には使われず麻袋やカーペット、バッグ、カーテンなどに使われます。
インドやバングラデシュで多く栽培されています。
大麻(ヘンプ)
大麻(ヘンプ)はアサ科の植物の靭皮部分から採れる繊維です。
現在では繊維というより麻薬で有名ですが、日本では古くから麻繊維というと大麻(ヘンプ)を指していました。
実は農薬などをほとんど必要としないので麻繊維の中で一番エコな素材です。
強度はありますが一般衣類にはあまり使用されずロープなどに使われますが、稀に他繊維と混紡して衣類に使用されることもあります。
中央アジアで多く栽培されています。
サイザル麻
サイザル麻はリュウゼツラン科の植物の葉、葉脈部分から採れる繊維です。
繊維が太く硬くとても強靭なため、衣類ではなくカゴバッグやロープに使用されています。
マニラ麻
マニラ麻はバショウ科の植物の葉、葉脈部分から採れる繊維です。
産地であるフィリピンの首都「マニラ」からマニラ麻と名付けられています。
繊維が太く硬くとても強靭で、さらに軽くて水に強いため衣類ではなく船舶用のロープなどに使用されています。
麻のメリット
麻のメリットを紹介します。
・上品な光沢がある
・吸水性、速乾性に優れる
・丈夫である(特に水に濡れると強度が増す)
・通気性が良い
・シャリ感、清涼感がある
・蒸れにくい
などが挙げられます。
麻のデメリット
麻のデメリットを紹介します。
・伸縮性が無い
・日光や汗で変色しやすい
・シワになりやすい
・摩擦により色落ちが起こりやすい
などが挙げられます。
用途、アイテム
清涼感のある素材なので衣料用としては夏物衣料に適しています。
また麻100%だけではなく、デメリットを補いつつ清涼感を出すため、他繊維と混紡した「麻混素材」としても多く使用されています。
衣料用以外では上記で紹介したように麻袋、バッグ、ロープなど強度を求めらるものに多く使用されています。
アパレル社員的まとめ
今回は麻繊維について紹介しましたが、これだけは覚えておくべきというポイントをまとめておきます。