ウールってどんな繊維?【特徴・メリット・デメリットを紹介】

毛糸の編みもの JOB

 

アパレル社員
アパレル社員

こんにちは!アパレル社員です。

今回は「ウール繊維」について紹介します。

 

寒い季節にピッタリなセーターやカーディガンなどに使用され、温かい素材として定番のウール。

柔らかくて、保温性があって、毛玉ができやすい。

と思い浮かべる人が多いと思います。

本記事ではアパレル業界で秋冬物として頻繁に登場するウールの特徴、メリット、デメリットを紹介していきます。

 

紹介に入る前に本記事はこのような人におすすめです。

 

・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。

・アパレル業界への転職を考えている社会人さん。

・入社したてのアパレル業界の新人さん。

・繊維の知識を身に付け、商品選びに活かしたい人。

それではご覧ください。

 

ウールとは

二頭の羊

 

ウールとは羊毛とも呼ばれ、羊の毛を原料とする繊維です。

 

天然繊維の中の動物繊維の中の毛繊維に分類されます。

毛繊維の中では最も多く衣料に使用されています。

 

羊の毛刈りは1年に1度行われ、羊1頭からセーター約5着分のウールがとれます。

可哀想な話ですが、ウール用の羊は人間が繊維として大量生産できるよう、品種改良されているため、自然に毛が抜け落ちることが無く、放っておくと伸び続け熱中症などで死んでしまうこともあります。

 

ウールのメリット

 

ウールのメリットを紹介します。

 

・保温性が高い

・伸縮性がある

・シワになりにくい

・吸湿発熱性がある

・撥水性がある

・他の毛繊維と比較して安価である

ウールのデメリット

 

ウールのデメリットを紹介します。

 

・家庭洗濯しにくい

・毛玉ができやすい

・虫食いが起きやすい

・フェルト化する

 

 

フェルト化とは水、洗剤、熱、摩擦などの外的要因により繊維が絡まりあってフェルトのように厚くてしっかりとした組織になってしまうことです。これにより柔らかくてフワフワした風合いが特徴のウールがゴワゴワで手触りも硬くなってしまいます。ウールの繊維にはスケールという魚の鱗のようなものがあり、それらが絡まりあうこと起きてしまう現象です。

衣類に最適なメリノウール

 

羊の種類は世界で3,000種類以上に上ります。

その中で衣料用として最も使用されているのがメリノウールです。

メリノウールはメリノ種から採れる、細く柔らかく肌触りの良い高級ウールです。

保温性はもちろん吸湿速乾性や軽量感もあり、多くのブランドが採用しています。

スペインが原産ですが、現在ではオーストラリア、ニュージーランド、フランスで飼育されています。

 

ウールのランク

 

ウールは一般的に繊維が細い方が上質で高価とされています。

 

この繊維の太さにより同じメリノウールでも名称が分かれています。

 

ストロングメリノ・・・23~25μm

ミドルメリノ・・・20~22μm

ファインメリノ・・・20~21μm

エクストラファインメリノ・・・18.5~19.5μm

スーパーエクストラメリノ・・・17.5~16.5μm

※ちなみに1μmは0.001㎜で、髪の毛の太さは約50~100μmです。

 

SUPER表示

スーツとボタン

 

ウールの基準を表す指標にSUPER(スーパー)というものがあります。

これは上記と同じくウール繊維の太さを表すもので高級なスーツのタグなどに表記されていることが多いです。

 

SUPER表示と繊維の太さは下記のとおりです。

SUPERの数字が大きいほど繊維が細いので高価な素材となります。

 

SUPER80’S・・・19.5μm
SUPER90’S・・・19.0μm
SUPER100’S・・・18.5μm
SUPER110’S・・・18μm
SUPER120’S・・・17.5μm
SUPER130’S・・・17μm
SUPER140’S・・・16.5μm
SUPER150’S・・・16μm
SUPER160’S・・・15.5μm
SUPER170’S・・・15μm
SUPER180’S・・・14.5μm
SUPER190’S・・・14μm
SUPER200’S・・・13.5μm

 

SUPERの数字が大きくなると繊維が細くなる分高価ということは間違いないのですが、、、

その分耐久性に劣り、ビジネスマンの普段使いには適さないという面もあります。

数字が大きい=良い物と考えすぎず、使用用途により最適なものを選ぶという考え方をおすすめします。

 

用途、アイテム

 

保温性が高いので秋冬物アイテムに多く使用されます。

セーター、カーディガン、スーツ、マフラー、手袋などに使用されます。

 

ウール100%ではなく他繊維と混紡して使用されることも多いです。

 

ちなみに品質表示に毛100%と表記されているものはウール以外の毛も含まれている場合です。

ウールが100%使用されている場合は「ウール100%」「羊毛100%」と表記されています。

 

その他の毛繊維

 

ウール以外の毛繊維には以下のようなものがあります。

 

・モヘヤ・・・アンゴラ山羊の毛を原料とする繊維です。

・カシミヤ・・・カシミヤ山羊の毛を原料とする繊維です。

・キャメル・・・ラクダの毛を原料とする繊維です。

・アンゴラ・・・アンゴラウサギの毛を原料とする繊維です。

・アルパカ・・・アルパカの毛を原料とする繊維です。

アパレル社員的まとめ

 

アパレル社員
アパレル社員

今回はウール繊維について紹介しましたが、これだけは覚えておくべきというポイントをまとめておきます。

 

・ウールは羊毛ともよばれ羊の毛を原料とする繊維である。

・ウールは天然繊維の中の動物繊維の中の「毛繊維」に分類される。

・吸湿発熱性があり、保温性が高く、秋冬物衣料に多く使用される。

・縮みやフェルト化が起こりやすく、デリケートな素材なので家庭での洗濯がしにくく、お手入れは少し面倒である。

・メリノウールは繊維の太さにより名称があり、SUPERという表示がある。

・毛繊維の中にはウール以外にモヘヤやカシミヤがある。

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