こんにちは!アパレル社員です。
今回は「プレタポルテ」について紹介します。
前回オートクチュールについて説明した記事でも少しだけ登場したこのプレタポルテですが、今回は詳しく書いていきます。
この言葉もファッション好きを語るならぜひ覚えておきましょう!
紹介に入る前に本記事はこのような人におすすめです。
・ファッション、服が好きな人。
・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。
・入社したてのアパレル業界の新人さん。
・現在アパレル業界について勉強中の人。
それではご覧ください。
プレタポルテとは
プレタポルテとは高級な既製服のことです。
分かりやすく例えるとパリコレでモデルがランウェイを歩く時に着用している衣服は全てプレタポルテです。
皆様がハイブランドと認識しているブランドの大量生産品はプレタポルテです。
ちなみに日本ではUNIQLOやZARAのような低価格な大量生産品はプレタポルテとは言いません。
あくまで高級な既製服を指して使われます。
ただし本場フランスでは単に既製服を指す時にもプレタポルテという言葉が使用される場合もあります。
プレタポルテの語源
プレタポルテはフランス語です。
「用意ができている」を意味する”pret”(プレ)
「着る」を意味する”porter”(ポルテ)
これらを合わせてすぐに着られる服という意味のpret a porter(プレタポルテ)となります。
英語のすぐに着られる服という意味の「ready to wear」をフランス語に置き換え、1940年代にできた言葉です。
プレタポルテの歴史
プレタポルテという言葉ができたのは上述の通り1940年代ですが、フランスではそれまで既製服のことをコンフェクションと呼んでいました。
このコンフェクションは「大量に生産された安物、粗悪品」のようなニュアンスが強かったです。
しかしイヴ・サンローランらオートクチュールデザイナーたちが、大衆向けにオートクチュールに匹敵するような高級な既製服を次々と生み出す中で、安価な既製服コンフェクションとの差別化を図るために、高級な既製服としてプレタポルテという言葉で呼ばれるようになりました。
その後1973年にパリ・コレクションで初めてプレタポルテコレクションが行われ、様々なデザイナーが高級な既製服として作品を紹介しました。
プレタポルテの勢いは続き、そのままオートクチュールに取って代わり、プレタポルテがファッション業界をリードするようになりました。
今ではパリ・コレクションというとプレタポルテコレクションを指すようになり、オートクチュールコレクションはパリ・オートクチュールコレクションとして展開されています。
プレタポルテの単価
アイテムによりピンキリですが、カットソーで数万円以上、コートやジャケットは数十万~数百万円のものもあります。
既製品なのである程度の数量は生産していますが、モノによっては生産数量が少ないものもあり、最近では希少価値の高さからプレ値(プレミアム価格)として購入時より高価な値段で転売されるアイテムもあります。
一般人でも手に入りますが、比較的高価なので、芸能人、有名人、またはファッションモデルなどの業界関係者が着用しているのをテレビやSNSでよく見かけますね。
オートクチュールとの違い
似たような横文字でオートクチュールという言葉がありますが、意味は全く異なります。
オートクチュールとは「高級仕立て服」という意味で、顧客一人のためだけに作る一点物です。
規格化、大量生産されずその人のためだけに作られるのでプレタポルテよりも更に高価なものが多いです。
またオートクチュールとはフランスのサンディカというグループに加盟しないと名乗れない格式の高いものです。
オートクチュールについてはこちらの記事で詳しく書いているので読んでみてください。
アパレル社員的まとめ
プレタポルテについて紹介しましたがこれだけは覚えておくべきというポイントをまとめておきます。
・プレタポルテとは高級な既製服のことである。
・パリコレなどでモデルが着用しているアイテムはプレタポルテである。
・現在はオートクチュールに代わりプレタポルテがファッション業界をリードしている。
・プレタポルテの始まりはオートクチュールを打ち出していた有名デザイナーたちが大衆向けに既製品を作ったことがきっかけである。
・現在のパリコレを含むコレクションで発表される製品はプレタポルテがメインである。
・オートクチュールは高級仕立て服の意味で、プレタポルテと違い大量生産しない一点物である。