オートクチュールとは?【ファッション好き必見!本当の意味やプレタポルテとの違いを解説】

ドレスを着たマネキン JOB

 

アパレル社員
アパレル社員

こんにちは!アパレル社員です。

今回は「オートクチュール」について紹介します。

 

アパレル系の専門学生さんや卒業生なら授業で習った人も多いのではないでしょうか?

昔化粧品のCMでも「オートクチュールのような~」などとうたっているのを見かけたことがあります。

ファッション好きを語るなら確実に押さえておきたいこの言葉について解説していきます。

 

解説に入る前に本記事はこのような人におすすめです。

 

・ファッション、服が好きな人。

・将来アパレル業界への就職を考えている学生さん。


・入社したてのアパレル業界の新人さん。


・現在アパレル業界について勉強中の人。

それではご覧ください。

 

オートクチュール

 

オートクチュールとはパリ・クチュール組合加盟店が作る高級仕立服やそのお店のことです。

 

パリ・クチュール組合の正式名称はラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌといい、通称「サンディカ」といいます。

 

オートクチュールは仕立て服なので一点物しか存在しません。

 

日本でのオートクチュール

 

日本では単に高級仕立て服のことを指して使う場合もあります。

冒頭で紹介した化粧品のCMはこの日本的な意味を連想させるように使用していますよね。

ただ、上述したように、正確には「サンディカに加盟しているお店が注文者のために作る高級仕立て服」でないとオートクチュールとは言えません。

 

サンディカに加盟せずオートクチュールを名乗っているお店は服を作る段階でオートクチュールの手法を取り入れているだけの場合があります。

 

オートクチュールの語源

 

オートクチュールの語源はフランス語です。

 

「高い」「高級」を意味する”haut”の女性形の形容詞”haute”(オート)

「縫製」「仕立て」を意味する女性名詞の”couture”(クチュール)

 

これらを合わせて高級仕立て服という意味のhaute coutureとなります。

 

オートクチュールの歴史

古いミシン

オートクチュール以前のファッションは、服を購入したい個人が、生地を生地屋から、装飾付属を装飾品屋から購入し、それらをクチュールと呼ばれる仕立て屋に持っていき、デザインを作成してもらい、最後は縫製のみ請け負ってくれる縫製屋へ持っていき服が完成する購入者主導の完全分業制でした。

 

そのシステムが非効率的だと思ったイギリス人デザイナーのシャルル・フレデリック・ウォルトはクチュールのデザイナーが生地、装飾付属を選び、デザインした数種類の服をマネキンに着せた状態で顧客に見せ、その中から気に入ったものを顧客のサイズにあわせて作成するデザイナー主導のものに変換しました。

 

そして1868年にはパリにあった多くのクチュールをシャンブル・サンディカル(現在のサンディカ)として組織化しました。

 

これがオートクチュールの始まりであり、デザイナーの権威を押し上げるきっかけになりました。

 

サンディカ加盟のルール

 

サンディカに所属するお店をメゾンと言います。

サンディカに加盟しメゾンを名乗るにはルールがあります。

このルールを全てクリアし、サンディカから認定をもらわないとサンディカに所属できないのでオートクチュールとは呼べません。

 

ルールの一部を紹介します。

 

・専属デザイナーがいること

・アトリエがあること

・年に2回決められた期間にモデルに着用させた新作の発表をすること

・外注、量産、規格化を行わないことなど

 

これらの条件をクリアするにはそれなりの労力、コストが必要な割に生産製が悪く市場規模も小さいため、オートクチュール部門を撤退するブランドが増えています。

 

全盛期に50以上あったメゾンも、現在は数えられるほどに減少しています。

 

現在のメゾンにはchanel(シャネル)Chiristian Dior(クリスチャンディオール)Givenchy(ジバンシー)Jean Paul Gaultier(ジャンポールゴルチエ)などのブランドがあります。

 

また過去にメゾンを持っていたブランドにはBalenciaga(バレンシアガ)Yves Saint-Laurent(イヴサンローラン)Pierre Cardin(ピエールカルダン)などがあります。

 

オートクチュールを続ける理由

 

上記に挙げたオートクチュール部門を継続するブランドは並行してプレタポルテも作り続けています。

ではなぜプレタポルテだけにせず、撤退が多いオートクチュールコレクションも継続するのか?

 

これは上述したようにオートクチュールはファッションとしての歴史が深く、このオートクチュールコレクションを続けることがブランドの格を引き上げ、様々な商品、事業に好影響を生むからです。

 

オートクチュールの単価

 

アイテムによりピンキリですが、カットソーで数万円以上、ドレスだと数千万円するものまでありとても高価な品物です。

顧客は世界中の富裕層に多く、歌手、セレブ、大統領夫人などが愛用しています。

オートクチュールは一点物であり、それらを着用している顧客以外に同じものは一切提供しません。

 

プレタポルテとの違い

 

似たような横文字でプレタポルテという言葉がありますが、意味は全く異なります。

 

プレタポルテとは「高級な既製服」という意味で、オートクチュールのようなデザインを消費者に向けて既製品として大量生産したものです。

ただしUNIQLOやZARAのような安価な既製服とは違い、高価なものに対して使用されます。

 

このプレタポルテもオートクチュールと同じくフランス語です。

 

プレタポルテについてはこちらの記事で詳しく書いています。

ファッション好きな方はぜひ読んでみてください。

 

 

アパレル社員的まとめ

アパレル社員
アパレル社員

オートクチュールについて紹介しましたが、これだけは覚えておくべきというポイントをまとめておきます

 

・オートクチュールとはパリクチュール加盟店が作る高級仕立服やそのお店のことである。

・日本では高級仕立て服の意味として使われることがある。

・サンディカに所属するお店をメゾンという。

・メゾンは年々減少傾向にある。(現在はchanelChiristian Diorなど数えられる程度)

・プレタポルテは高級既製服の意味でオートクチュールと違い大量生産される。

 

 

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